バーサルバドールへようこそ!

東京高田馬場にあるバーのブログです、お酒の事はもちろん、様々な日常を綴っていきたいと思います

1904年のオーバーホルト

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先日、某所にてとても珍しいお酒を飲む幸運に恵まれました。

そのお酒とは1904年のライウイスキー。「オーバーホルト」。当時はまだOLDは付かず、

ペンシルヴァニアのアメリカンウイスキーでした、(写真は現代のちょっと古いボトル)

なんでもこの100年以上前のライウイスキーはフーヴァー大統領時代、ギャングの資金源であった

蜜造酒を摘発するため、当時の蒸留所に圧力をかけていたそうです。

摘発を特命された財務長官のアンドリューはなんとペンシルバニアのオーバーホルト蒸留所の株主の一人でした。
そこで彼は一族のセラーにウイスキーを隠し持ち、そのひ孫の代になってようやく発見されたという、

激レアなウイスキー、木箱にそのままの状態で保管されていた物で、複数のヴィンテージもあったようです。

熟成期間はおそらく10年~14年オーク樽で寝かせて瓶詰め、もちろん樽出しのカスクストレングス。

(当時は加水して瓶には詰めなかったようでやたらに度数が高い!)

そんな歴史的な価値を持つウイスキーですが、これがまた、素晴らしく旨い。

ライウイスキーの原点を感じました、オールド特有のヒネや変化もなく、パワフルなウイスキー

クリスティーズオークションから出品されていたボトルなのでフェイクの可能性は低いですが、

こんなにも美味いライウイスキーならばどんどんフェイクを造ってくれ、と言いたくなります。

年末にいい経験をさせて頂きました。

ウイスキーのこういう逸話のロマンっていいですね。