バーサルバドールへようこそ!

東京高田馬場にあるバーのブログです、お酒の事はもちろん、様々な日常を綴っていきたいと思います

借り物のサン・ルイ

イメージ 1
「Saint Louis」とはフランス三大クリスタルメーカーである。(他はラリックとバカラ
 
世界中のコレクターから珍重される王朝風で優美で繊細。独特の装飾が特徴的なブランドである。
 
さて、お店にてこの「サン・ルイ」を使用しているかといえば、していない。
なぜなら高価で繊細なため扱いにくい。ラリックも同様。
 
しかしながら、お客様が「このグラス置いといて」と託される。このグラスで3脚目。
人に預けたくなるグラスメーカーなのだろうか?
 
和器の場合、茶碗や急須をお店などに預け頃合を見計らって引き上げることを「育てる」という。
アンティークグラスの場合、育たない。十分に時の洗礼を受けているからだ。
 
本来、洋食器は「用の美」と言われ使われている姿が一番美しい。
しかし、このグラスはイコンのようにただ佇んでいるだけで静謐な雰囲気を醸し出してくれる。
こうして、異国を旅をしながら数々の所有者に見つめられている。
 
サンルイは今、エルメスグループ。
たった1脚だけ持っていた、エルメス5線譜シリーズのグラスを破損してしまったのは昨日のことである。