バーサルバドールへようこそ!

東京高田馬場にあるバーのブログです、お酒の事はもちろん、様々な日常を綴っていきたいと思います

アイリッシュウイスキーのお話(Bow Street Distilleryってしってますか?)

イメージ 1
 
アイリッシュウイスキーについてちょっと綴ってみたいと思います。
アイリッシュウイスキーはその名のとおりアイルランドで作られているウイスキーのことです。
 
スコットランドの蒸留所は100近くありますが、アイルランドの蒸留所は4つしかありません。
○ミドルトン蒸留所
○クーリー蒸留所
○キルベガン蒸留所
この4つの蒸留所ですべてのアイリッシュウイスキーを生産してるわけですね(キルベガンはまだ出てませんが)
 
↑の写真のジェイムソン12年旧瓶は80年代後半に詰められたもの。ミドルトン蒸留所で作られたウイスキーです。
このミドルトン蒸留所は1975年に新ミドルトン蒸留所に生まれ変わっていますから、おそらく旧蒸留所で作られた樽もブレンドされているのではないでしょうか。世界最大の蒸留器を持つ蒸留所です。
 
このミドルトンがあるコーク(cork)という場所はタイタニック号最後の寄港地としても知られています。
 
イメージ 2
ジェイムソンというウイスキーは最もポピュラーなアイリッシュウイスキーの一つですが。
この「JJ12」今から約50年前のボトルです。
 
そこには「Bow street distillery」と明記されてます。もう1971年に閉鎖してしまった蒸留所名です。
イメージ 3
「Bow street Distillery」で作られたと書かれているアイリッシュはほとんど存在しません。
ケイデンヘッド社のオーセンティックコレクションで1度だけボトリングされていますが、それ以外はオフィシャルの、かなり古いボトルに限られます。
 
「Bow Distillery」は1780年に写真上のジョン・ジェイムソンによって創業されました。ちなみに彼は生粋のスコットランド人だそうで、アイルランドの経済に貢献することになります。
19世紀中頃から海外でのアイリッシュウイスキーブームにのり、蒸留所を拡大、300人を超える従業員、毎年100万ガロンを生産する巨大施設となります。この時点で世界で一番売れたウイスキーとなります。
イメージ 4
ルフレッド・バーナードの名著「The Whisky Distillery」にもこの蒸留所の挿絵があります。
確かにでかいですね。
 
ところが第2次世界大戦後アイリッシュウイスキーの凋落と共に事業が縮小していき他社と合併。
1971年には創業停止となります。
その後新ミドルトン蒸留所でジェイムソンが生産されるということになります。
 
今、ワールド・ワイドなベストセラーアイリッシュウイスキー「Jameson」はこういった歴史を重ねていたのですね。
イメージ 5
約100年位前のボトルですが、右側のボトルに面白い発見をしました。
イメージ 6
「Old Ilish Whisky」と書かれています。
これはコーク蒸留所(閉鎖)の当時人気銘柄。
有能なセールスマン、パディ・フラディが売りまわってました。人気も博していつからかそのウイスキーは「パディのウイスキー」と呼ばれるようになります。
 
それが今、世に出ている「PADDY」です
イメージ 7
こうして調べてみると奥が深いですね。お酒の探求は歴史を知ることになります。
何気ないボトルにも大きな遍歴があるかもしれないという事実を気づかせてくれました。